「melte(メルト)」(ブランド詳細は記事の最後に)という、植物や花などをモチーフとした手作りアクセサリー作家のさきこさん。
1点1点全てをさきこさん自信が手がけるその作品はアクセサリーというよりも、アートと呼ぶべき手の込みようで、ファンも多い。現在は相模原市内で自宅兼工房を新築し、そこを拠点にイベントや催事での出展、ネットショップでの販売がメインで活動しています。
そんなさきこさんですが実は、ソラ珈琲&食堂ヒュッテのもとスタッフなんです。たしか当店の2年目とか3年目のあたりに活躍してくださいました。
ただ、僕の態度が気に入らやめていきました。ではなく、この本業が軌道に乗ってバイトどころではなくなったので…。
その後も、当店にてアクセサリー作りのワークショップを開催してもらったり、個人的にもお付き合いさせていただいています。
今回はそんなさきこさんの工房にお邪魔してきました。
ちょっとお話が長くなったので、3回に分けてお伝えします。

仕事編
1.店名(あれば)、その由来は?
「melte(メルト)」です。由来は、英語のmelt=溶かすから「心にあるトゲを溶かす」という意味を込めてつけました。
由来は初めて聞いた! さきこちゃんにトゲがあるの?
初めて言いました! もちろん、自分にもトゲがありますが、人に相談されることが多かったんですよね。その人たちみんななぜか「死にたい…」とか病んでたんですよね…。
それで溶かすって発想はどこからきたの?
「もやもや」したものって塊っていうイメージなんです。それを懐柔するに溶かすのと、金属を溶かしてアクセサリーにするのを掛け合わせてつけました。 それと頭文字が「m」の言葉から始めたかったんです。私の中で「あたたかいもの」=「m」だったんですよね。
2.始めた理由は? どんなキッカケが?
大学の時に心理学を専攻していたのですが、言葉だけでのやりとりがなんだか嫌で「身につけることでお守りにできる」ものがあったらいいなと思って、アクセサリーに興味をもちました。
じゃ〜アクセサリーと心理学が繋がっているんだ?
そうなんです。もともとアクセサリーありきではなく、心理学的に「モヤモヤを解決する」ために「身につけるもの」がいいなと思ったんです。それでアクセサリーの歴史を遡って行ったら「アクセサリーっていいな!」と。なので、大学を1年でやめてそのままアクセサリーの学校に入りました。その時には、そのまま独立することを決めていました。
3.はじめてみて想像と違ったことは?
アクセサリー作りでは特にはなかったんですけど、思っていた以上に経理とか確定申告が難しいです…。
4.一番の売り/強みはなんですか?
現物鋳造せずに、全て手彫りなことです。
現物鋳造ってなあに?
簡単にいうと、型を取らないってことです。モチーフに植物を使うことが多いのですが、実際の植物からでも鋳型を作るできるんです。そうやって作っている作家さんも多いですね。
製品に違いがでるの?
絶対的な強度が違います。型に金属を流し込む作り方だと、弱いんです。特にmelteみたいに細かいモチーフが多いと壊れやすくなってしまいます。なので、一点一点、自作の型から作ります。それと、鋳型だと大きさにバラエティを出せないのですが、自分で型から起こせば、好きなサイズをいくつでも作ることができるんですよ。
5.一番の弱味はなんですか?
それもやはり強度ですね。いくら型から作って強いと言っても「モチーフが細かすぎて落としたりすると変形しやすいんですよ」
直せるんだよね?
もちろん、直せます。そこら辺は、アフターケアでちゃんと対応してます。それに、専用のクリーナーも販売してますよ。
6.お客さんには言わないけれど、こだわってることは?
小さな動物を植物の中に入れているんです。
え?それは見たら気づくんじゃないの?
気づかないぐらい小さいんですよ。それに、葉っぱの葉脈一本一本を手で掘りこんでいるんですが、やっぱり、ルーペで見るぐらいじゃないと気づかなかったりするんです。それでいいのですが。ま〜、兎に角細かい!ディテールにこだわってます。それで、よく他の同業者からも「細いかいね〜」と言われたりもします。
商売的な目線で言うとその細かさは原価度外視と言うか、価格にあってないんじゃないの?
そうなんですよね〜。そこらへん悩むところで難しいところなんですよ。
7.お客さんにどんなところを見てほしい/気にしてほしいですか?
一番大切にしているのは「お客さんが受け取って、そのアクセサリーに対してどう思うかだとおもっているんです」。なので、私からアレを見てほしいととかは言ってないんです。
あ、自己主張が苦手!って話ね。それは今回取材にまわるところ、みんなそうね。
そうなんです。強いて言うなら、手に取ってもらってじっくりと良く見ていただいて、それで気に入っていただけたらそれでいいんです。
8.事業をしてて一番難しいことはなんですか?
子供ができて制作の時間コントロールが難しくなったことですね。また、子供ができて、催事に出展できなくなりました。
出展に合わせてアルバイトを雇ったりしないの?
時々、お願いしていたことがあるのですが、お客様にアクセサリーの説明をするのに、表面的な紹介をされても困るな〜と思ってやめました。
9.将来は安心できますか? 次の世代に託したいですか?
安心はできないですね〜。もし息子がやりたいって言ったら教えますけど、自分から言わない限りは自分だけで終わらせると思います。
10.ライバル視している店舗(または人など)はありますか?
ないですね。
敵はなし!だね
いやいやいや〜ちがいます。と言うか、他店と比べたこともないです。自分は自分です。

melte(メルト)
野の花や野草などの植物モチーフを主に、そっと寄り添うような温もりあるアクセサリーを
現物鋳造はせず、ひとつひとつ手作業で彫りお作りしています

https://www.instagram.com/melte_atelier/
公式ショップ
melte.theshop.jp